Chrome Remote Desktopは、離れた場所にあるパソコンへ接続して、その中のファイルやアプリをそのまま操作できるサービスです。手元の端末に画面を映し、マウスやキーボードの操作を相手のパソコンへ届けるイメージになります。
このサービスには、大きく2つの使い方があります。ひとつは、自分のパソコンへ外から入る「リモートアクセス」。もうひとつは、相手のパソコンを一時的に見せてもらって操作を手伝う「リモートサポート」です。
2つは名前が似ていますが、接続の準備も、相手の同意の取り方も別物です。検討を始めるときは「誰の端末に、どんな場面で入りたいのか」をまず分けて考えると、必要な設定が見えやすくなります。
こちらは、あらかじめ接続先のパソコンに設定を済ませておく使い方です。接続するときは、登録済みのパソコンを一覧から選び、PIN(自分で決める暗証番号)を入力します。
想定される場面は、外出先の端末から自宅や職場のパソコンを開き、そこにあるファイルやアプリを使いたいときなどです。相手の操作を待たずに入れるため、無人のパソコンへ繰り返し接続したい用途は、この方法が該当します。
接続先として設定できるパソコンは、Mac、Windows、Linuxです。
こちらは、支援を受ける人が接続のたびに許可を出す使い方です。流れは次のようになります。
まず、支援を受ける側が一度限りのアクセスコードを発行し、手伝ってくれる相手へ伝えます。相手がそのコードを入力すると、支援を受ける側の画面に相手のメールアドレスが表示されます。ここで共有を許可して、初めて相手が操作できるようになります。
つまり、コードを渡しただけでは操作は始まりません。誰が入ろうとしているかを画面で確かめてから、自分で許可する形です。
注意
共有を許可すると、相手はアプリ、ファイル、メール、文書、閲覧履歴を含む範囲にアクセスできます。コードを渡す相手と、画面に表示されたメールアドレスの両方を確認してから許可してください。
判断の分かれ目は、接続したい端末が自分のものかどうかです。
自分の端末へ繰り返し入りたいなら、PINで接続するリモートアクセスが向きます。家族や知人のパソコンで、その場の操作を手伝いたいなら、都度コードを発行するリモートサポートになります。認証の手順が最初から分かれているので、目的に合うほうを選んで設定します。
リモートアクセスとリモートサポートのどちらでも、Chrome Remote Desktopをダウンロードしてインストールする手順があります。接続先の設定を進める途中で、パソコンのパスワード入力やセキュリティ設定の変更が必要になる場合もあります。
利用条件としては、インターネット接続と、最新版のChromeまたはChromeOSが必要です。
通信面では、HTTPSの443番やSTUNの3478番といったポートを使います。接続はGoogleのサービスへのWebリクエストから始まり、実際のセッションでは直接接続、STUN、TURNまたは中継といった方式が使われます。会社や学校のネットワークではこうした通信が制限されていることがあるため、うまく接続できない場合はネットワーク管理者への確認が必要です。
確認した公式ヘルプには、Chrome Remote Desktop単体の商用料金や料金プランの記載はありません。地域ごとの独立した価格も確認されていません。なお、Google Chromeのヘルプは日本語でも公開されています。
そのため、料金表を並べてプランを比べるタイプの製品としてではなく、利用条件のほうを先に確認する形になります。具体的には、Googleアカウントがあること、接続先のパソコンにインストールできること、PINまたは一度限りのコードで認証する仕組みで問題ないこと、といった点です。業務で使うことを考えている場合は、費用面だけでなく、組織のアカウントに適用される設定や利用条件も合わせて確認してください。
注意
料金や提供条件は変わる可能性があります。導入時には公式の案内で最新情報を確認してください。
Chrome Remote Desktopは、遠隔接続に必要な基本的な機能を備えています。一方で、今回確認できた範囲には、セッションの録画や企業向けの監査ログに関する根拠はありません。誰がいつ何を操作したかの記録を残すことが必須の組織では、必要な管理機能が揃っているかを別途確かめる必要があります。
また、Googleはネットワークの遅延やセッション時間について匿名化したデータを収集し、サービスの改善に利用すると案内しています。組織として導入するなら、この扱いが自社のプライバシー方針と合うかも見ておくと安心です。
Q.スマートフォンやタブレットからでも操作できる?
A.操作する側の端末は、パソコンだけでなくモバイル端末も使えます。仮想トラックパッドで接続先のパソコンを動かす形になります。
Q.サポートの共有を始めたあと、途中でやめられる?
A.やめられます。共有中は30分ごとに継続するかどうかの確認が表示され、終わりたいときは共有の停止か切断を選べます。アクセスコードは一度限りのものです。
Q.会社や学校のアカウントでも使える?
A.管理対象のアカウントでは、管理者がChrome Remote Desktopの利用可否や接続方式を制御できます。使えるかどうかは組織の管理者に確認してください。
自分のMac、Windows、Linuxのパソコンへ外から入りたい場合や、相手の許可を得ながら一時的に操作を手伝いたい場合に、Chrome Remote Desktopは候補になります。本人用のアクセスと有人のサポートで認証手順が分かれているため、用途に合うほうを選んで設定できるのが分かりやすい点です。
反対に、録画や監査ログを前提とする業務では、必要な管理機能があるかを確かめてからの判断になります。接続する相手、使うネットワーク、記録の要件。この3点を整理しておくと、自分の用途に合うかどうかを判断しやすくなります。
確認日: 2026-08-07(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
Chrome Remote Desktop